とても素敵な友人から 先日のミモザに続き、スイート・バイオレットの花束を頂きました。
全長13㎝ほどの 紫色の小さなすみれの花は 和名を「においすみれ」というだけ、その様子からは意外なほど 濃厚な甘い香りを運んでくれます。弱々しく茎もこんなに細くて、しおらしいのに。
「スミレの花の色は淡いけど、ジュノーのまぶたよりも ヴィーナスの吐く息よりもかぐわしい。」と、シェークスピアの「冬物語り」にある通りです。
その人が私に教えてくれた、スイート・バイオレットのストーリー。
かの、ナポレオン皇帝が愛した妃、ジョセフィーヌと皇帝の愛でた花。ナポレオン復活のシンボルとして、紋章にもされているバイオレット。
ギリシャ神話では 大神ゼウスの 女官イーオ—との秘めた恋が、妻の女神ヘラーに明らかになり、イーオーは牛に変えられてしまう。
かわいそうに思ったゼウスは 牛と化したイーオーの周りを たくさんのすみれで 埋め尽くした。
なんとも ロマンテイックなお話ではありませんか。
花言葉はそんな逸話からきているのでしょうか、「秘密の恋、高尚、謙遜」です。
サンタ・マリア・ノヴェッラのオーデ・コロン ヴィオレッタは ゼウスがイーオーを失った時、その瞳の美しさを想いスミレの花を贈ったイメージで作られている ロマンテイックでフェミニンな香りです。
でも何よりロマンテイックなのは、スイート・バイオッレトのストーリーを キラキラと輝いた眼差しで話す、少女の様な可憐さを持った、もうお孫さんもおられるそのすみれを贈ってくださったご婦人だったのです。